ナウシカの父の憧憬

世の中の疑問に思ったことを綴ったブログです。

僕は民主主義を信じない

<民主主義制度は優れた政治システムなのか>

日本は戦後民主主義国家になった。しかし民主主義制度というのはどれほど優れた政治システムなのだろう。

例えば来年には消費税率アップを控え、テレビの街頭インタビューで「生活はもう大変ですよ。今でも苦しいのにこれ以上の増税は絶対反対です。」などと答える中年の主婦の首元にはダイヤのネックレスが光り、生活苦とは無縁の様にしか見えないことがある。国の借金問題について聞かれると「そんな難しいこと言われても。政治家の人がちゃんと考えてくれないと。」などと、およそ国の将来のことなど興味無い様な返答が帰ってくる。そして選挙では、国の財政を考え増税の必要性を訴える候補者より、財源も提言せず単に増税反対を連呼するだけの候補者に投票する人もいる。

このレベルの人たちが、日本の将来に関わる重大な選択権を持つ民主主義という制度が、何故政治的に優れたシステムなのか。

この疑問は、実は私の中では以前から大きな難題なのだ。皆さんは民主主義の優位性についてどのように理解しているのだろう。

「政治システムとしての民主主義の優位性」といったテーマの討論番組は見たことが無い。討論番組と言われるものはどれも「民主主義制度は疑いようもなく最善の政治システムだ」という前提に立った上で議論が行われている。この点を論理建ててきちんと考えたことがある人がいったいどの程度いるのだろうか。

ではどうして民主主義制度が最善の政治システムだという考えが、根付いて疑われなくなったのか。それは恐らく「学校で習ったから」であろう。

未だ十分な判断能力が無い小学生の時期に学校で習ったことは、知らないうちに誰しも無条件で受け入れてしまっている。これはいわゆる学校教育による洗脳で、「戦前は軍国主義に洗脳されていた」国民が、「戦後は民主主義に洗脳された状態になった」だけに過ぎないと、私は考えている。

 

<民主主義の本質>

民主主義とは、イメージとしては軍国主義専制君主制国家とは対極にある制度の様に考えている人も少なくないだろう。

しかし民主主義の本質は、国民がどの様な国家体制を選択するかの権利を持っている制度というだけに過ぎない。つまり、仮りに国民の過半数軍国主義国家となることを支持すれば、論理的には国民の選択により民主的に軍国主義国家になるわけで、決して別物ということにはならない。

戦前の日本は一部の軍部の人間によって国民が洗脳された様なイメージを持たされているが、日本はそれまでに日清・日露戦争、第1次大戦と勝利を重ねてきた実績が有り、実際にはマスコミも含め国民の多数が戦争を肯定していたのが実態であったはずだ。また当時世界で最も民主的な国家の一つであったドイツではヒトラーが首相に選出され、民主的に軍国主義化していった。つまりどんな民主主義国家でも、軍国主義という誤った選択をしないとは言い切れず、実際に歴史的事例もあるということだ。

なので我々国民は民主主義の歴史と限界を良く認識し、愚かな選択を二度としない様に常に考えておく必要があるのだろう。

 

民主主義はフランス革命以降に始まったまだ歴史の浅い制度だが、その評価が十分に行われている様には思えない。

例えば内閣支持率40%の民主主義国家と、国民支持率80%の国王制国家とでは、どちらが国民の政治に対する信頼度・満足度が高いだろうか。現状では民主主義制度とは、「国民全体の意思が反映される分だけ、他に比べてまだましだと考えられる政治システム」という程度にすぎないと考えるべきだろう。

日本も民主主義制度以外に選択すべき政治システムがあるのかも知れない。

ではもっと理想的な政治システムとはどういうものか。その方法についてはまた時期が来たら改めて述べることとしたい。